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2009 10,25 12:50 |
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「お茶は何がよろしいですのー?」
「えっと、じゃあ、紅茶」 「わたしは、いつもの」 揺れる。 揺れる。 ネイビィちゃんのお茶は美味しいから好き。 つまり、お茶に関しては味がわかる、ということ。 「…いちごちゃんは、なれてるよね。」 「コーヒーよりは、ね。」 いちごちゃんはキレイに、飲む。 たぶんきっと、お姉さんの影響だと思うけど 長生きだって言ってたし、年の功なのかな。 「ミルクたっぷり、お砂糖たっぷり?」 「うん、いちごちゃんは?」 「青い毒薬を少々」 「しんじゃうよ?」 「じょーだんですに。」 ぐるり、ミルクをまぜる。 まぜる。 聳え立つような、威圧感。 英雄の1人、名前は、覚えていない。 彼は、僕の姿を見るなり顔をしかめた。 腐ったりしていたから、匂いがキツかったのだろう、と思った。 思った。 頭の上には、大きな手。 「よく、頑張ったな」 汚れて、虫がついている僕の頭を撫でる手。 汚いと殴られても可笑しくないのに。 「それじゃ、いいわね?」 「ああ、頼むぞ召喚士とやら」 優しい、優しい、人だった。 ぐるりぐるりと、感覚が揺れる、混ざる この人のためなら、死んでも良いんじゃないかと思ったけれど 英雄は、どこか悲しげに笑って 僕を、そっと傍らに、おいてくれた。 「…また、思い出してるんですに?」 「……うん」 「辛いこと、だろうに」 「ううん、辛いこと、だけじゃなかった。」 「英雄は、もういないのに?」 「うん。…でも、まだ名前が思い出せないんだ。」 「思い出したい?」 「うん。」 「辛くても?」 「うん。」 「なんで、そう思える?」 「だって、僕は――… じいちゃの、孫だから。」 PR |
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