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2009 11,21 23:05 |
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花を、手折る。 灰色の髪の少女は、自らが作り上げた花を 何の感慨も無く、手折った。 白い花、青い花、赤い花、黄色い花―― いくら手折っても、花は尽きない。 「あら、今日は何をくれるのかしら」 銀髪の少女が、笑った。 「わたしは庭師じゃないってば」 灰色の髪の少女は、ぎこちなく笑う。 笑って、今日は違うよ、と続けて言う。 …酷く平和な時間 笑ってしまいそうな、時間。 「じゃあ誰にかしら?」 「眠ってる腐れ死体を花葬にしてやっても、いいけど」 「それはやめなさい、メイに怒られるわ。」 そこかよ、と灰色が笑う 当然よ、と銀色が笑う。 「銀ちゃんたちが、帰ったでしょ? ルドも帰ったし、辰巳も、リヴィも、ロザも」 「ええ、そうね」 「これ、なんとなく恵梨奈っぽくない?」 これ、と言って紫色の花を見せる。 たしか、ええと 「あら、毒草」 「ははは恵梨奈め、ははは」 ぶちっと手折り、籠に摘む。 あーあー恵梨奈らしいわーほんとー。 「それで、その花は…帰った子たちに?」 「ん。いや、ほら、また来たときにさ 住処が汚いとかだと、困るし。」 分担して掃除とかしてるの、と灰色が言う。 掃除など、できはしないくせに だからこそ、花を摘んで、それを飾ろうと思ったのか。 「……そう」 「でも、これはあげる。」 「…毒草ね」 「これもか!」 ぶちっと手折り、籠に入れる。 何故こうも毒草が多いのだろうか? 「冗談だったのだけど」 「あほ!ばか!ちくしょう!」 あなたは面白いわね、と銀色が笑う。 面白くないよ、と灰色が睨む。 「まぁ、ほら、いつもの」 「ええ、ありがとう。」 そうして、白い薔薇を手折り、渡す。 ずいぶんと、気安く喋れるようになったものだ… 平和、だからだろうか? 「それじゃ、またね、召喚士。 次の茶会も楽しみにしてる。」 「それでは、またね…アスタロード。 次の薔薇も、楽しみにしているわ。」 銀色を見送り、灰色は思う。 今日もまた、平和だったな、と。 PR |
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