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2009 10,25 12:35 |
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にくのあじ。
それを教えてくれたのは、あの男。 「お前…最近よく肉を食べますにぃ……」 「うん、お肉の味はなんとなく解るようになったんだ」 千切って、口に入れて、噛み砕く。 いちごちゃんは、呆れたように見ているけれど… これが普通の食事、だよ? 「美味いの?」 肉は、一番手軽に手に入る。 最初に飢えたときに食べたのは、自分の腕だった。 利き腕と足があれば、まだ、どうにかなる がりがりと、丁寧に貪って 痛みが無いことを不満に思ったのを覚えている。 次に食べたのは、猫だった。 次に食べたのが、人間 次は、足 つぎは つ つぎ 食べて、生き延びて、何がしたかったんだろう。 だれもいない常闇の世界で、何がしたかったんだろう。 召喚士と呼ばれる人が壊した僕の世界 彼女という人は、凄い人と言っていたけれど 僕の世界は、もう、元に戻れない。 たくさんのキラキラした玩具の中の1つだった、僕 今は、ネズミに齧られて死んでいこうとしている、僕 かじるなって思っても、もう足は無い。 手は、病気で腐ってしまった。 ああ、ほんとう、みじめだ。 「ねえ、あなた…生きてるのかしら」 いきて、いるよ 「あなたを必要とする英雄が居るのだけど」 ひつよう? 「一緒にいらっしゃい。」 あしも、ないのに? 「ええ」 うでも、ないのに? 「そうよ」 ぼくは、惨めなぬいぐるみなのに? 「あなたは、これから英雄の依代となるの。」 何故、ぼくなんかを 「英雄――、鬼神の英雄が、あなたのような子を指名したの。 幼くて、臆病で、生に執着できる子を。」 おくびょう? ぼくが? 「さぁ、ついてらっしゃい 足なら、”あ”るでしょう?」 視界には、銀色の髪。 ああ、これが召喚士なんだ。 「どうかしましたに?」 「……いや、えっと、美味しくは、無い。」 「じゃあ別のもの食べればいいのに…」 「…うん、」 PR |
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