「あれ？いちごちゃん…やない……？」
動くぬいぐるみっていちごちゃんだけやなかったんね、と
緑色のリボンの少女が言う。
「たしかに…継続の意思が無いから、本人じゃないな……」
「ぼくのお仲間むー？」
金髪の猫耳と、魂のような何かが言う。
そして当のぬいぐるみは…
「こんぱいん、こんぱいん。」
言葉を間違えていた……

「なんや、依代の子だったんね。こんにちは！」
「こんにちは！」
いいこいいこ、と女の子な撫でてくれます。
女の子はみんな、ぎゅっとしたり
撫でてくれるけど、緑リボンの女の子もそうみたいです。
「だが、依代は単独で行動できるものだったか…？」
こんな小さいのが彼女の手下ではないだろうが、と金髪さん。
金髪さんは、コンファインしてもらっていた間にも会ったことがあって
継続のスペシャリストだって、誰かが言ってました。
僕も継続がしたいけれど、でも僕は依代だから
コンファインしてもらうのが一番なのです。
「こんぱいん、こんぱいん」
「こんぱいんって何だむー？」
魂さんがふよふよしてるけど、魂さんってコンファインできるのかな？
もしかして、コンファインしてない英雄さんならしてくれるかも…
僕だってきちんとＨＰゲインとか出来るし……
「こんぱ…コンファイン？」
「それです。それです。」
こくこくと頷き、肯定。
「コンファインしたいん？なら、召喚士さんの…」
「違います、コンファインしてほしいんです」
僕にコンファインしてください。
ちょっとだけでいいんです。
女の子と、僕と同じ猫の耳の人は――

▼ＶＳ．プラム小梅＆まーしゃるさん

「コンファイン、楽しいですね。」
「…そう……なら、別の人にも頼むと良いわ。
　私の所に来れば、コンファインしてあげられるから。」
「も、もう一回！今度はもこもこを堪能しますからもう１回…！」
ぬいぐるみと、黒ドレスと、黄色い髪。
「今度は、他の人が良いです。」
ドレスは動き辛いです、とぬいぐるみ。
流石戦場アナ、動きが鈍い、なんて言う人も無く
ぬいぐるみにコンファインするような英雄は居るのだろうか。
「勝手にコンファインさせられて勝手に振られるなんてッ！？」
最初の犠牲者は、がっくりと肩を落とした。
黄色い猫は好きですか？
「そうね…
　コンファインしても良いと言う英雄が居るか解らないけれど……」
「あ、でも、魔石…」
「それは大丈夫よ。長続きしないコンファインだもの。
　けれど、あなたの因子が相手に残る可能性もあるわね…」
いんし？
首をかしげるぬいぐるみに、黒ドレスは続けます。
「コンファインは、精々１分～３分というところかしら？
　アナの様子ではアビリティやスキルは使えないみたいね。」
「あ、でも元気玉は出そうな感じでしたよ！」
「…メイ、条件と詳細を纏めて頂戴。」
「ガン無視ですか！！」

▼メイ「まとめました」

「コンファインしたいです」
「戦場アナにコンファインね…
　魔石は、青と橙と――」
「え、ちょ、私の知らないところで何をしてるんですか！」
青魔石を２つと、橙魔石を３つ、緑の魔石は無くても良いわ
そう言って、魔石を数える黒いドレスの少女と
これと、これと、じゃあステータス伸びるように赤魔石２つ使います
そんな事を言う、ぬいぐるみ。
非常識の中心で待ってと叫ぶ、黄色っぽい髪の少女。
今日も世界はある程度平和です。

「コンファインしてください」
「というわけなのよ。」
「はぁ、ええと、つまり…
　私がこのぬいぐるみ？さんにコンファインするんですね…？」
ですです。と頷くぬいぐるみ。
「勿論短時間だから心配はしなくて良いわ。」
合計１０個の魔石を受け取って、黒ドレスの少女。
だがしかし、その魔石…
「流れからして、魔石の心配も無いんですよね？」
「ええ、既にあなたの財布から貰ったから大丈夫よ」
「全然大丈夫じゃないですよ！！」
魔石１０個を笑うものは、魔石１０個に泣く。
１０個あれば、きっと何か出来る。きっと。
「そもそも、コンファインして一体何が…」
「ぼくに、コンファインするとほーむぺーじゲインが習得できます。」
「…ウェブデザインなんて知りませんよ！」
知ってるじゃない、と呟く黒ドレスの少女
どうやらコンファインの準備は出来ているらしい。
「大丈夫、痛くないです。」
「そこじゃな…もう準備万端じゃないですか！
　私の意思は！？」

▼ＶＳ．戦場アナ

依代。
それは魂の抜かれた状態のカレイディアンであることが多い
だが、多い、というだけあって例外は存在する。
たとえば魂が残ったままの依代。
たとえば――…

「コンファイン、してくれる人が居ない…」
部屋の隅で体育すわりをしている猫のぬいぐるみ。
彼もしくは彼女は、ＨＰゲインの騎士の依代だったのだが
偶然コンファインしたいちごと名乗る英雄の力を吸収し
いつの間にか単独で動くほどになってしまった、後天性の英雄である。
だがしかし、彼…としておこう。
彼は、それに気付いていない。
彼は未だに依代のつもりなのである。
だが、英雄となったためにコンファインされない。
依代のつもりなのだが、コンファインされない。
…依代のつもりなので、
「人気がないのかな、ＨＰゲイン……」
存在意義を疑い始めている。
しょんぼりと肩を落とすぬいぐるみ。
誰かコンファインして欲しい、依代として必要とされたい。
そうだ、こんな時
こんな時こそ――…　召喚士である。

▼ＶＳ．召喚士

花見の記事を、こつこつと書き直してきます。
がーんばれー自分ー♪