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2009 04,26 11:53 |
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「というわけで、お前に拒否権は無い。」
すんげぇ嫌そうな顔をする王を名乗る男と すみませんと頭を下げる恵梨那。 どっちも目を逸らしているのだが・・・ まぁ、そらすよね。 目の前には、美白がいた。 その美白を私に語らせたら詩が出来るぞ? それに浩平だっけ?あの新入りとタンバリン娘に曲付けさせて カレイディアで流行らせるぞ。 嫌だ。すんげぇ嫌だ。 「なんだい、輝きを増すことに関しては反論はないけれど もちろん、僕の美肌に傷ひとつ付かないんだろう? ならば受けないという選択肢は無いさ。さぁ、今すぐ」 「なげーよ!」 ここからが、本当の勝負だ。 何人かの護衛と共に、キヨモトを空へと固定し 太陽光を合図として桜を咲かせる。 「恵梨那、リンゲージ全員に通告 ”花見は明日行います。各自食べ物・酒をご用意ください。”」 「たしかに、おでんだけでは物足りぬな・・・」 「カルアやおでん神の他にも、ジュリエッタも居るし・・・ ミツフネやこがねは緑茶と和菓子、ですかに。」 「で、僕はいつ輝くんだい?」 「王モドキ、その美白黙らせといて。相方でしょ。」 「まったく違う。」 そんなだから王モドキなんだよ、このリバーシめ。 オセ○は商品名なので使えないって誰か言ってた。 まぁ、それは兎も角 「キヨモトの出番は明日ですに。 さっきちょっと確かめたけど、光らせるだけなら余裕ですにょ。」 プラーナすげぇ。 妄想すげぇ。 「かえでちゃんには断られちゃったしね。」 「キヨモト光らせるしかないんですよにー。」 流石に光れとか言って光るのはこいつしかいねぇよ。 プラーナ5桁ぶち込むのも面倒だけどさー これだけプラーナあればもしかして色々できるんじゃなかろうか? 「それで、計画を再度話しますに。 王モドキと恵梨那は地上、いちごさんは上空で待機 地上に居るほうはどんどん花見を楽しめばいいですに。」 知能のある獣というのは、大勢が居る場所は好まない。 あとは適当に獣避けにたいまつの類を用意しておけばいいか・・・ 火嫌いなんだけどなぁ。 「上空はいちごさんに任せて平気?」 「キヨモトの世話が一番大変ですにぃ。やっぱ代わらない?」 「断る。」 「やだ。」 キヨモトごめんねキヨモト。 でもいちごさんの目じゃないと近くに居られないんだよ この目が作り物で本当によかった!!! ・・・・あれ、じゃあどうやってものを見てるんだろう。私。 「キヨモト、当日は上空に居るわけだけど 食い物の類何か欲しいですかに?ウイスキーとか。」 日本酒とか。 ワインとか。 チューハイとか。 「そこは皆に任せるさ。僕の美白に似合う素晴らし」 「はい、じゃあ今日の会議終了ー。 2人とも、リンゲージのほうによろしくー。」 最後までキヨモトの話を聞くつもりは無い。 長いしさ。 「それじゃ、女の子は王様担当でお願いしますね その他は私が頑張りますから。」 「うむ、解っておるな。」 わかってねぇえええ 色々な意味で大丈夫だろうか。やっぱり最後まで見といたほうが・・・ 不安だ。 色々と不安だ。 PR |
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2009 04,25 18:47 |
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その夜、苗を踏まぬように踊る女が居た。 くだらないことに力を使う喜びを くだらないことを大切だと思う喜びを 眠りに変えるには惜しくて、女は踊るように歩き続けた。 暗闇の中、赤銅は輝きを失い 暗闇の中、金色の瞳は伏せられて 誰も知りえぬ、英雄がそこに居た。 「楽しそう、だね。」 振り向くと、青い髪。 「そんなに楽しそう?」 唯一、魔王を魔王と認めた戦士。 されど、それは笑う。 「キミの本当の姿が、そんな女性だとは思わなかったよ」 これ?と笑いながら髪に触れる。 地面につくほど長い髪の毛 これでは、戦士などとは名乗れまい。 「そうね、今なら負ける気もしない。」 やってみる?と笑って見せる。 武器も何も持たない、華奢な女と銃剣の青年。 勝敗など、見て取れるだろうけれど 「やっぱり・・・・魔法を、使うんだろう?」 「勿論。」 それなら勝ち目は無いね、と男は笑う。 つられて私も笑う。 「この苗は、キミ達がやったのかい?」 「ええ。 子供たちだけじゃなく、大人たちも手伝ってくれた きっと、みんな理解してるんだろうね。」 別れが来ると言う現実。 ならば、せめて思い出を。 「今から心配するなんて、早い?」 「そうでもないよ。 僕も、どこかで不安に思ってる。」 あの子は帰る国が無い あの子は死に場所しかない あの子は・・・幸せに暮らせるだろうか? この記憶は、残っているだろうか? 「キミの力で・・・・どうにか、ならない?」 「わたしは、恐怖公 ・・・・わたしは魔王だから、人攫いしか出来ないわ。」 寂しいね、と声もなく呟いて 悲しいわ、と声もなく呟く 「もう、良い子は寝る時間よ さっさと寝なさい、ダイナ。」 どれだけ寂しくても、どれだけ悲しくても 恐怖公と呼ばれている私に手を出すことは出来ない。 人類に苦痛、苦難、苦境、それらを与え続けるのが私。 救うことの出来るものなんて、なにもない。 「うん・・・・それじゃあ、またね。」 「お花見、楽しみにしていてね。 最高の思い出を、作りたいから・・・・」 笑う。 笑う。 友と認めた、だからこそ 私は彼に笑いかけるしかない。 「楽しみにしているよ、いちごちゃん」 笑って、ハイタッチ。 くつくつと笑って、私は桜の苗木へと意識を集中させる 可愛い私達の命 美しく咲いておくれ 可愛い私たちの命 美しく残っておくれ ・・・・それが残酷なことだとしても。 |
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2009 04,25 09:29 |
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「早速エリダババアたちに来て貰いました。」
「今の一言で早速いちごちゃんが消し炭になりました。」 「早速修復が始まってますね・・・・」 「しぶといのう・・・・」 「私、必要ですか?このメンバーで」 魔法使いも3人集まれば文殊の知恵。 エメリナも呼んでもよかったが、まだ修行中のみでもあるなら うっかり別世界の魔法を教えて触手学生とか言われたら嫌だろう。 「というわけで、話の通り御願いします!」 「つまりは植物を急成長させる呪文、じゃな・・・・」 「私の居た世界の科学では、一昼夜では不可能です・・・」 「ソレイユは?」 「ハーブは育てていますが、急成長となると・・・・」 え、あれ、全滅? 「いや、ワシに不可能は無い」 「おお、年の功ですに!」 踏まれた。 あれ、今の褒め言葉だよね? 「とりあえず、エリダを中心にして研究ですかに? 量が量だけに、エレニアも呼んできますに。 アレニアの術を習得、解析、全員で行使・・・・・できますにょ?」 「わ、私は科学の人ですので!」 そりゃエリダ怖いから抜けたいよね、この集団。 いいよ、かえで。 お前は後でキヨモトと光ってもらうから。 「すまないですに、かえで。 それじゃ、また後で・・・・」 光る人が多いな、この界隈。 「それで、ソレイユは園芸の基本を教えてくださいに。 もう1人助っ人が居るから・・・・ あの白ドレスは遠慮なく使うといいですにょ。」 木の影からこちらを見ている妹。 なんかに怯えてるけど、お前それでも私の妹か。 「というわけで、会議開始ー」 「・・・・あれ?今回私出番少なくない?」 ははは、恵梨那。 お前の魔法はアテにしない。遠慮なく休んでやがれ。 そうして、エレニアとエリダと私 園芸としての調整はソレイユと恵梨那と白ドレスがやることになった。 出てこないサブキャラは名前なんか出さない それが魔王のジャスティスである。「ひどいですのー!」 「一応、いちごさんは力さえあればどうにか」 「たしかに豊作のための魔術は記憶にあるもの それの範囲を広げれば・・・十分に可能ですわ」 となると、視線がエリダに向う。 あんたが一番魔力があるんだよ、の意。 「わかっておる。となれば、園芸班が終われば開始じゃな。」 たかが花見に恐怖公と万能魔術師と偉大なる魔女が話し合う図。 なんともありえないのだが、カレイディアにはありえるだろう。 ここまでカオスな世界というのも、ある意味凄い。 「恵梨那、そっちはー?」 「ちょっと位置調整してるよー!」 やっぱり素人じゃ桜の生長とかわかんないからなぁ ソレイユのように園芸をする人が居て本当に良かった。 本当は他にも園芸する人居るんだけどね 呼ぶの面倒くさかったんだ。わかるだろ? 「ソレイユ、桜以外の植えてあるモノについては口外禁止ですにー!」 「わかりましたー!」 いっけね、バレたら最悪でしたよ。 オチが7日目でバレるなんて SS書きの恥ですものね!バレバレだけど!!! 「それにしても、花見・・・・風流ですわね。」 「常闇のこの世界では、夜桜になるかのう・・・」 「いや、太陽を作りますに。心配無用ですにょ。」 キヨモトとかえでで。 「そのような魔法を使えるとは、流石ぬいぐるみですわ」 「非常識においては一番じゃな」 え、なにそれ。 ひどくない? 「魔法じゃなくてキヨモト光で太陽を」 「実に非常識ですわ!」 「実に非常識じゃな」 なんという認識。 天才的だと思ったんだけどなぁ とりあえず、キヨモト光で目をやられないようには考えねば。 「で、できましたよー!」 「こちらの準備はOKですー!」 遠くで恵梨那とソレイユが言う。 さて、ここからが本領発揮だ。 大地と水の魔法において最上である私の力 汎用と万能、不可能と言われていた術すら使用するエルフ そして封じられるほどの力を有する魔女 この3人がいるのだ、不可能は――無い。 其の日、大きな力が観測されたが桜は咲かなかった。 それは何故か? 魔法使い3人の、ちょっとしたお遊びである。 |
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2009 04,23 20:47 |
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「100本完成したよー!」
「やったね、みんなっ!」 「がんばり、まし、た・・・!」 「ぁう?」 「はい、じゃあ皆ーお手手あらいますにー。」 カモノハシってミミズ喰うっけ。 そんなことを思いながら全員に手を出させる。 カモノハシはあとでね。ニボシたくさんあるからね。 「お疲れ様・・・・でいいか?」 よいしょ、と水を作り出す前に、タオルをかけられる。 あれ?だれ? 見上げるとそこには男が居た。えーと・・・ 「アルフレッド?」 「ああ。」 先日少し話をしたばかりだが、覚えていた。 この場に呼ぶべきではない、と判断した人物 こんな場面、過去を思い出して辛いだろうに。 「大丈夫ですかに?」 「自分でも、よくはわからないが・・・」 苦笑に似た表情。 どうすべきか、と思ったが・・・ くいくい、と猫が耳を引っ張った。 あ、うん、手が先だな。 「はい、皆手ー。」 こんなことに使うのも愉快だろうと判断して 《レインコール》を使う。 水で流す程度の手洗いだが、まぁいいだろう。 ついでにカモノハシのお手手も洗いました。 「じゃ、ココとことねはかもっちにニボシあげててくださいに。 恵梨那は、猫にニボシね。」 お腹からニボシを多めに出す。 ちょっと嫌な風景かもしれないが、子供の順応力は高い。 元気な返事をして、餌付けに向うのを見てから 男へと、視線を戻す。 「驚いたな・・・あれは魔法か?」 「ですに。 いちごさんの魔法は、くだらないことにしか使わないけど・・・」 本題は、そうじゃない。 「いいんですかに? なんで手伝えって言わなかった、とか。」 怒らないのだろうか? 彼がやっていた作業の話は既に聞いている。 地雷の撤去作業。穴掘りもお手の物じゃなかろうか? 「いや。」 遠くを見て、男は呟く。 桜の苗。本当はもっと植えるべきだっただろうか? 「こうして、花を待つのは・・・・平和な証拠だ。 子供の心は子供にしかわからない、だろう?」 「え、いちごさん超大人なのに!」 「それは失礼。」 笑いながら、苗を見る。 明日には、急成長して枯れる花。 「本当は、残しておきたいとは思いますに。 でもこの桜は、数日が限度・・・・子供は悲しみます、にょ?」 だろうな、と呟いたが きっと、心には残るだろう。 「いちごちゃん、あげたよー!」 「おいしそう、でした!」 おっと、お子様が呼んでる。 「えー、もうおわりー?」 「あーぅ!!」 ふかふかを堪能してるもう片方のお子さまも呼んでいる。 まったく自重しろ。色々な意味で。 溜息をついて、しかたがないと装って 「お前には、ちょっと別件で世話になりますに。 子供のため、大人のため、皆の為に――・・・」 其の言葉に男はなんと返したか? 桜の苗の近くに、もう一種類の苗が植えられた。 それを植えたのは、一人の工兵と・・・・ 子供を見守っていた数人の大人。 花見の準備は着々と進む。 |
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2009 04,23 20:15 |
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「まさかの大量入手にいちごさんの脳血管バヤイ。」
「バヤイって何。 リヴィさんもミナさんも、やるねぇ・・・・・」 山積の苗 あいつ等どうやって持ってきたんだ。 むしろあれなのだろうか、同業者として何か疼いたのか。 「それで、そっちは?」 「ソレイユさんとかえでさんと、エリダさんに会ってきたけど やっぱりお花見は楽しみみたい。」 よかった、そっち行かなくて! 命の保障できないからね!!ババアって呼びたくなるから。 「ほいじゃ、苗植えますかにー」 「今日の作業は地味だね・・・・」 「バーロー、探偵は足で勝負だ!」 「色々間違えすぎ。」 よいしょよいしょと土を掘ろうとして気付く。 ぬいぐるみの手じゃ、掘れない。やべぇ。 「あれ、どうしたのいちごちゃ・・・・まさか」 「えりなぁ、槍かえしてぇー!掘れませんにぃいいい!」 なんだこの情けない手! 畜生、この依代用意したの誰だよ!! ・・・・・まさかメイか?召喚士か?アナか! 「月匣使っていい?」 「だめ。」 畜生!ケチ! 恵梨那はいいよね《刃竜》使えるもんね!! 「あ、そういえば龍使いだもんね。やってみるよ。」 「じゃあいちごさん、植えてきますにょー」 よいしょよいしょ。 ズガガガガガ よいしょよいしょ。 ズガガガガガ よいしょよいしょ。 「なんだこの不毛な作業・・・・!」 「私なんて地面に向かってだよ?」 「ああ、そっちの方が不毛か。」 地面に向かって拳や蹴りで長距離にわたって穴を開けていく恵梨那。 地道に桜の苗を埋める私。 なんて地味な作業・・・・!! 「駄目だ、地味すぎる! 俺は応援を呼ぶぞ恵梨那ァー!!」 「人間やめ・・・・てるよね、まぁいいや」 ・ ・・ ・・・ ・・・・・ 「というわけで、応援の」 「いちごちゃん、お花見のお手伝い頑張るね!」 「あーぅ!」 「おはな、み・・・・楽しみ、なの!」 小学生軍、到来。 ははっ、すごいだろ。 ぬいぐるみって子供に人気なんだぜ・・・・? もうちょっと人選ぼうよいちごちゃん、と目が語ってる。 じゃあヨーチン呼べよ、と目で語る。 ・・・・わかってくれるよね、うん。 「じゃ、みんなー。 桜の苗を植えるですにー」 「「はーい!!」」 「あ、猫はこっちね。いちごさんと一緒。」 「まー、ぅ!」 なんで猫つれてきたんだろう私。 あれか、下僕への嫌がらせか。適当に置手紙おいたしいいよね。 「こーやって、ぽんぽん、でいいですに。 穴は恵梨那が世界無視したやべぇパワーで開けてくれてるから。」 「恵梨那、おねぇちゃん・・・すご、いね・・・」 でも真似しちゃだめだぞ、ことね。 あれは明らかに魔法使いじゃなくて格闘家だ。 マッスルになるからな、やめとけ わかるな?わかるだr 「ごめーん、いちごちゃんの方に蹴っちゃったー」 「いちごさんのあたまあぁあああ」 ズドンですよ。 これだから格闘家は! 「い、いちごちゃん大丈夫・・・・!?」 「接着剤で一発ですにょ。」 心配してくれるココもことねもいい子ね! 猫は怯えるといけないので見えないようにしました。 「ぅ、あー?」 「余裕余裕。平気ですに。」 心配してくれる猫もいい子ね! でも作業がんばろうね。 「まったく魔法系のいちごさんが近接で 物理系の恵梨那が支援って召喚士なにやってるんですに・・・」 せっせと植えて行く、お子様グループ どうにも、子供の手だけでは足りない・・・か? なんか、カモノハシも手伝ってくれているが あとでザリガニ調達しておかないとなぁ。 「お花見、たのしみですねっ」 「です、ね♪」 「うー!」 でもまぁ、子供にも手伝わせるのは良い事だ。 大人だけが楽しむものじゃない 子供にも譲ってはいけないものがある。 手伝いに参加した、と誇れるように。充実感を得るために。 総勢、100の苗木(余った分は実家に送りました。) 手伝いは、2人と2匹。 苗木を植え終わった頃には、魔法と科学が炸裂してくれるだろう だから、それまでは 「頑張るですにー!」 「はーい!」 「は、い!」 「ぁーう!」 子供にも役割を。 遠くで見守る大人は、何を思っていたか? 子供たちは知る事もない。 |
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